アラビア語検索エンジン
「アラジン」機能説明書
◆0 概要
*「アラジン」は各種の検索機能を備えたアラビア語の高速検索エンジンです。
*仮想キーボードをクリックしてアラビア文字を入力し、語根検索や単語検索、動詞や名詞の活用形検索を高速で実行します。なお、キーボードを打鍵して検索語を直接入力することもできます。
*検索結果画面から辞書画面にジャンプして、検索語の意味を調べることができます。また、動詞や名詞の活用画面にジャンプして、検索語の活用を確認することができます。
*「アラジン」にはアーカイブとして「コーラン」と「ハディース」の全文が収録されています。その古典資料を利用して、辞書には記載のない用例などを簡単に検索することができます。
*「アラジン」には、以下の8種の検索法があります。本説明書では、以下の順を追って、それぞれの操作法と関連画面の機能を説明します。
①語根検索:語根から単語の意味を知りたい時に利用します。2〜4回の文字入力で、簡単に希望の単語にアクセスすることができます。
②単語検索:一つの単語の意味を知りたい時に利用します。派生語や非語根名詞なども検索できます。
③動詞活用形検索:動詞の活用形の語根や意味を知りたい時に利用します。接続詞や接尾型代名詞が膠着した活用形も検出します。
④名詞活用形検索:名詞の活用形の見出し語や意味を知りたい時に利用します。接続詞や前置詞、接尾型代名詞が膠着した活用形も検出します。
⑤古典全文検索:「コーラン」や「ハディース」から単語や句の用例を、発音記号を無視して検索したい時に利用します。ワイルドカードを使って、任意の数語を挟む相関句も検索できます。
⑥古典単語検索:「コーラン」や「ハディース」から単語の用例を、発音記号を考慮して検索したい時に利用します。接続詞や接尾型代名詞が膠着した用例も検出します。
⑦和語検索:辞書の語釈や用例で用いられている和語を検索したい時に利用します。
⑧動詞型検索:ある動詞型に属する動詞を一覧表示したい時に利用します。
◆1 語根検索
*検索画面のアラビア語の文字アイコンをクリックし、検索したい語根を入力します。入力後、下段の検索スイッチ群から「語根検索」をクリックします。
*ダブル語根の場合は、2文字で入力してください。同じ語根を繰り返し入力する必要はありません。
*くぼみ動詞や弱動詞で、弱語根が و か ي か曖昧な時は و を入力してください。その場合、本来は ي の語根も検出します。
(例) شوأ(望む/本来の語根は شيأ )を入力→語根 شيأ に属する見出し語を検出。
*語末ハムザ動詞で第3語根のハムザが أ か ؤ か ئ か ء か曖昧な時は أ を入力してください。その場合、本来は ؤ か ئ か ء の語根も検出します。
(例) سوأ(悪い/本来の語根は سوء )を入力→語根 سوء に属する見出し語を検出。
<検索結果>
*ヒットした場合は「語根検索結果表示画面」にジャンプし、「NO」「母音形」「型名」「語根」「意味」「W4頁」「古典用例」の6つのフィールドが表示されます。
*「母音形」フィールドは見出し語を示します。なお、語根検索の場合は見出し語のみが表示され、基本形動詞の動名詞や名詞の派生語は表示されません。派生語や非語根名詞を検索したい時は、次の「単語検索」を利用してください。
*意味的に語根が複数ある場合は、そのトップに当たる見出し語が赤く表示され、別の意味系統の語根があることを示します。語根が1つの場合は、黒く表示されたままです。
*「型名」フィールドにはそれぞれの単語の型が表示されます。動詞型表示の意味については、8で述べる「動詞型検索」の項を参照してください。なお、名詞の場合は g が動名詞、 a が能動分詞、p が受動分詞を示します。
*「語根」フィールドは語根を示します。意味的に複数の語根がある場合は、数字でその順位を示します。
*「意味」フィールドは見出し語の代表的な意味を表示します。リンク箇所をクリックすると、9で述べる「辞書画面」にジャンプします。
*「W4頁」フィールドには「HANS WEHR第4版」の頁が示されます。数字右端の a は右欄、 b は左欄を意味します。なお、辞書には記載されていない追加語は「*」で示されます。
*「W4頁」フィールドのリンク箇所をクリックすると、動詞の場合は10で述べる「動詞活用画面」に、名詞の場合は11で述べる「名詞活用画面」にそれぞれジャンプします。*「古典用例」フィールドには、「コーラン」と「ハディース」に見られる用例数が示されます。クリックすると、6で述べる「古典単語検索」を実行します。
◆2 単語検索
*語根検索の場合と同様、検索したい単語(見出し語、派生語、非語根名詞など)を入力し、下段の検索スイッチ群から「単語検索」をクリックします。
*常に冠詞を伴って使用される単語(例: اليابان 日本)は、冠詞を省略して入力しても構いません。
(例) يابان を入力→ اليابان を検出。
*11から19までの数詞などのように途中にスペースがある語の場合は、間を空けずに連続して入力してください。
(例) ثلاثةعشر を入力→ ثلاثة عشر を検出。
<検索結果>
*ヒットした場合は「単語検索結果表示画面」にジャンプし、「NO」「母音形」「語根」「意味」「親語」「派生態」「W4頁」「古典用例」の7つのフィールドが表示されます。
*「母音形」「語根」「意味」「W4頁」「古典用例」フィールドの意味と機能は、語根検索の場合と同様です。
*派生語の場合は「親語」フィールドにその単語の親語が示され、「派生態」フィールドに派生の種別が表示されます。
*「古典検索」フィールドをクリックすると、6で述べる「古典単語検索」を実行します。
◆3 動詞活用形検索
*検索したい動詞の活用形を入力し、下段の検索スイッチ群から「動詞活用形検索」をクリックします。
*完了形、未完了形、接続形、要求形、命令形、派生形動詞の動名詞・能動分詞・受動分詞の他に、強調法第1式・第2式、強調命令法第1式・第2式も検出します。
*派生形動詞の動名詞・能動分詞・受動分詞は単数男性形のみを検出します。分詞の女性形や複数形を検索したい時は、次項で述べる「名詞活用形検索」を利用してください。
*接続詞などが頭についた語形も、文法的に解析して検出します。その場合、文法的にあり得ない語形は排除されます。
(例) سأذهب を入力→未来辞 س を認識し、 سَ + أَذْهَبُ と未完了形のみを検出します。文法的にあり得ない سَأَذْهَبَ や سَأَذْهَبْ は排除されます。
*他動詞に接尾型代名詞が膠着した場合も、文法的に解析して検出します。その場合、文法的にあり得ない語形は排除されます。
(例) ذهبها を入力→他動詞である第2形 ذَهَّبَ (金メッキする)のみを検出し、
<ذَهَّبَهَا それに金メッキする>と表示します。文法的にあり得ない、基本形と膠着した ذَهَبَهَا (行く)などは排除されます。
*接尾型代名詞が膠着した場合語形が変わる動詞も、正しく検出します。
(例)يلقاها を入力→ هَا + يلقى と認識し、< يَلْقَاهَا 彼女に会う>と表示します。
*なお、接尾型代名詞を認識した時は受動態は排除されますが、それ以外の場合は、自動詞も含めて、受動態を表示します。これはアラビア語の自動詞には特殊な受動態の用法があり、一律に排除できないためです。
<検索結果>
*ヒットした場合は「動詞活用形検索結果表示画面」にジャンプし、「NO」「態」「動詞活用形」「型名」「親語」「時制」「人称」「意味」「W4頁」の9つのフィールドが表示されます。
*語根検索や単語検索の場合と同様、「意味」フィールドからは「辞書画面」にジャンプできます。また「W4頁」フィールドからは「動詞活用画面」にジャンプできます。
◆4 名詞活用形検索
*検索したい名詞の活用形を入力し、下段の検索スイッチ群から「名詞活用形検索」をクリックします。
*接続詞などの接頭辞が頭についた語形も、文法的に解析して検出します。
(例)باليابان を入力→「 بِاليَابَانِ 日本で」と、所有格のみを表示します。
*接尾型代名詞が膠着した語形も、文法的に解析して検出します。
(例)مدرسانا を入力→「 مُدَرِّسَانَا 私たちの二人の先生は」と、双数形の主格のみを検出します。
<検索結果>
*ヒットした場合は「名詞活用形検索結果表示画面」にジャンプし、「NO」「名詞活用形」「親語」「数」「相」「格」「品詞」「意味」「W4頁」の9つのフィールドが表示されます。
*動詞活用形検索の場合と同様、「意味」フィールドからは「辞書画面」に、また「W4頁」フィールドからは「動詞活用画面」にジャンプできます。
◆5 古典全文検索
*「アラジン」には古典資料として「コーラン」と「ハディース」の全文が収録されています。用例を調べたい時に利用できます。検索したい語句を入力し、下段の検索スイッチ群から「古典全文検索」をクリックします。
*複数語を検索したい時は、キーボードからスペースキーを打鍵して、単語間を区切ってください。
*ワイルドカードを入力したい時は、キーボードから「!」キーを打鍵してください。その場合、必ず両側をスペースで区切ってください。
(例)لا ! إلا を入力→「 لا إله إلا 」などの用例を検出し、出典順に表示します。
<検索結果>
*ヒットした場合は「古典全文検索結果表示画面」にジャンプし、「NO」「原文」「出典」「章節」「和書頁」の5つのフィールドが表示されます。
*検出された検索語が「原文」フィールド内にリンク表示されます。クリックすると、12で述べる「古典テキスト表示画面」にジャンプします。
*「出典」フィールドには、「コーラン」または「ハディース」の出典箇所が表示されます。「Qr」(コーラン)の場合は章と節、「Hd」(ハディース」の場合は書番号と節と場合によっては更に項目番号が示されます。
*「和書頁」フィールドには、和書の対応頁が表示されます。「コーラン」の場合は井筒俊彦訳「コーラン」(岩波文庫)の巻と頁、「ハディース」の場合は牧野信也訳「ハディース」(中公文庫)の巻と頁を示します。
*なお、単一の単語の用例を検索したい時は、次項で述べる「古典単語検索」を利用してください。
◆6 古典単語検索
*語根検索や単語検索を実行すると、検索結果表示画面の「古典用例」フィールドに、「コーラン」と「ハディース」の用例数がリンク表示されます。このスイッチをクリックすると、その単語の用例を一覧表示します。
*古典単語検索は前項の古典全文検索とは異なり、その単語の全ての活用形を、母音符号を考慮して検出します。動詞の場合は接続詞や接尾型代名詞が膠着した活用形も検出します。名詞の場合は、接続詞や前置詞、接尾型代名詞が膠着した活用形も検出します。
*ただし、この検索は機械的な方法によるもので、意味の違いは考慮されていません。また、原文の母音符号の省略や連音による一時的変化によって検索されない語形もあります。
正確な数を知りたい時には、母音符号を考慮しないで検索する、前項の古典全文検索を利用してください。
<検索結果>
*それぞれのフィールドの意味や機能は、前項の古典全文検索と同じです。
◆7 和文検索
*単語や句の和訳として用いられている和語を検索します。コンピューターの入力モードを日本語に切り換えて、検索したい和語をキーボードから直接入力し、下段の検索スイッチ群から「和文検索」をクリックします。
*なお、この検索は日本語索引の単純な前方一致検索によるもので、日本語の意味区分や、訳語としてのアラビア語の重要度などは考慮されていません。
*「和語」フィールド内のリンク表示された検索語をクリックすると次項で述べる辞書画面にジャンプし、その語を含む語釈が赤く強調表示されます。
◆8 動詞型検索
*検索画面の上段に並んでいる機能スイッチ群の中から「動詞型一覧」をクリックすると、以下のような画面に切り替わります。
*上段の「動詞群切り換えスイッチ」をクリックすると、それぞれの動詞群にジャンプします。
*その下には「NO」「群名」「派生数」「型名」「一般式」「例語」「例語意味」「登録数」の8つのフィールドが示されます。
*リンク表示された「型名」フィールドをクリックすると、その型に属する全ての動詞を検出して一覧表示します。
*リンク表示された「例語」フィールドをクリックすると、その動詞の活用形を表示します。
◆9 辞書画面
*辞書画面には「古典検索」を除き、全ての検索結果表示画面からジャンプできます。それぞれの検索結果表示画面の「意味」フィールドをクリックしてください。
*辞書画面の上段には、その語に関する情報と「バックスイッチ」「検索画面スイッチ」が表示されます。「見出し語」と「辞書頁」の他に、必要に応じて「語根」「型名」「派生語」が表示されます。
*リンク表示された「語根」をクリックすると、その語根に属する全ての見出し語を表示します。見出し語検索を実行した結果と同じになります。
*「バックスイッチ」をクリックすると、1画面前に戻ります。
*「検索画面スイッチ」をクリックすると、全ての履歴を飛び越えて検索画面に戻ります。
*見出し語情報欄の下には、「品詞」「NO」「主文」「副文」の4つのフィールドが示されます。
*「主文」フィールドと「副文」フィールドには、語釈と用例と、場合によっては「意味分野」「使用地域」「出典」情報などが示されます。それぞれの略語の意味については、検索画面の上段に並んだ機能スイッチ群の中から「ドキュメント」をクリックしてください。
◆10 動詞活用表示画面
*検索結果表示画面の「W4頁」フィールドをクリックすると、その語が動詞の場合は
「動詞活用表示画面」にジャンプします。なお、動詞活用形検索画面からジャンプした時は、当該の活用形が赤く強調表示されます。
*「動詞活用表示画面」の上段には「見出し語」「型名」「代表意味」と、「バックスイッチ」「検索画面復帰スイッチ」が表示されます。
*受動態を持つ場合には「態切替スイッチ」が表示されます。クリックすると、表示する態を切り換えることができます。
*ダブル動詞などのように活用形の変異体がある場合は、更に「変異体切替スイッチ」が示され、変異体を持つ語形が青く表示されます。スイッチをクリックすると、表示する体を切り換えることができます。
◆11 名詞活用表示画面
*検索結果表示画面の「W4頁」フィールドをクリックすると、その語が名詞の場合は
「名詞活用表示画面」にジャンプします。なお、名詞活用形検索画面からジャンプした時は、当該の活用形が赤く強調表示されます。
*「名詞活用表示画面」の上段には「見出し語」「品詞と代表意味」「格変化型」と、「バックスイッチ」「検索画面復帰スイッチ」が表示されます。
*その語が双数形を持つ場合には「数切り換えスイッチ」が表示されます。クリックすると単数形と双数形を交互に表示できます。
*活用形の変異体がある場合には、更に「変異体切替スイッチ」が示され、変異体を持つ語形が青く表示されます。スイッチをクリックすると、表示する体を切り換えることができます。
*「格変化型」の意味については、検索画面の上段に並んだ機能スイッチ群の中から「格変化型一覧」をクリックしてください。
◆12 古典テキスト表示画面
*古典検索結果表示画面の「原文」フィールド内にリンク表示された検索語をクリックすると、古典テキスト表示画面にジャンプします。
*上段には「<<Prev」「章題」「和書頁」「Next>>」フィールドと、「バックスイッチ」「検索画面スイッチ」が表示されます。
*「<<Prev」スイッチをクリックすると、一つ手前の節に戻ります。「Next>>」スイッチをクリックすると、一つ先の節に進みます。文脈を確認したい時に利用してください。
*情報欄の下に古典テキストが表示されます。検索語は赤く強調表示されます。
*「コーラン」の場合には和訳と英訳が同時に表示されます。
◆13 ドキュメント
*検索画面の上段には7つの機能スイッチが並んでいますが、クリックすると、各種のドキュメントを表示します。
[1]機能説明(本書)
[2]品詞型一覧
*「アラジン」は全ての単語を 215 の品詞型に分類して管理していますが、その一覧を見ることができます。
[3]動詞型一覧
*「アラジン」は動詞を9つの動詞群と 313 の動詞型に分類して管理していますが、その一覧を見ることができます。
*8で述べたように、リンク表示された「型名」フィールドをクリックすると、その型に属する全ての動詞を検出して一覧表示します。
[4]名詞型一覧
[5]古典一覧
*章節番号から「コーラン」や「ハディース」の本文を参照したい時に利用します。
*それぞれの章節番号スイッチをクリックすれば、12で述べた古典テキスト画面に指定のテキストが表示されます。
[6]略語一覧
*「アラジン」で用いられている略語の意味が一覧表示されます。
[7]ホーム
*「アラジン」のホームページである linca のホームページに戻ります。
以上
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