◆１ 名詞文(3)

＊この課の本文では、普通名詞または形容詞が属詞になっています。

（例１） هَذِهِ مِسْطَرَةٌ これは定規です。［属詞は普通名詞］

（例２） المِسْطَرَةُ طَوِيلَةٌ その定規は長いです。［属詞は形容詞］

◆２ 形容詞の音型(1) فَعِيلٌ

＊形容詞には様々な音型がありますが、最も普通の音型は فَعِيلٌ 型です。

（例） سَمِينٌ 太っている ／ هَزِيلٌ 痩せている ／ طَوِيلٌ 長い

＊形容詞の女性形は、男性形にター・マルブータを加えると得られます。

（例） سَمِينَةٌ 太っている ／ هَزِيلَةٌ 痩せている ／ طَوِيلَةٌ 長い

◆３ 名詞の性(1)

＊アラビア語には、男性形と女性形の２つの文法的性があります。人や動物を表す名詞の場合、文法的性は自然的性に照応しています。

＊他の名詞の場合は、一般的に、ター・マルブータで終わっていれば女性名詞で、そうでない時は男性名詞です。

（例） مِسْطَرَةٌ （定規）女性名詞 ／ قَلَمٌ （鉛筆）男性名詞

◆４ 否定詞 لَيْسَ の用法(1)

＊ لَيْسَ は特殊な動詞で、直説法現在という１つの法しかありません。この語は否定の意味を表します。

（例） القَلَمُ لَيْسَ طَوِيلاً その鉛筆は長くありません。

＊この例文には動詞 لَيْسَ がありますが、アラビア語では名詞文とされます。なぜなら、アラビア語では、「名詞文とは名詞で始まる文である」と定義されているからです。

＊ لَيْسَ は三人称単数男性形です。三人称単数女性形は لَيْسَتْ です。

（例） البَقَرَةٍُ لَيْسَتْ سَمِينَةً その雌牛は太っていません。

◆５ 名詞の格変化

＊名詞、形容詞及び分詞は格変化します。つまり、文中の機能に応じて語尾の形が変わります。アラビア語には次の３つの格があります。

(1)主格

＊主格は語尾が فُ [u] または فٌ [un] で終わるのが特徴です。名詞文の主語や、 لَيْسَ または他の存在動詞に先行されていない属詞は、この主格の例にあたります。第１課と第２課の本文では、主語と属詞はすべて主格になっています。

（例） عُمَرُ طَبِيبٌ ウマルは医者です。

(2)対格

＊対格は語尾が فَ [a] または فًا [an] で終わるのが特徴です。 لَيْسَ 及び他の存在動詞の直後に来る属詞は、この対格の例です。

（例） البَقَرَةُ لَيْسَتْ سَمِينَةً その雌牛は太っていません。

(3)所有格

＊所有格については第５課で説明します。

なお、指事代名詞の هَذَا や هَذِهِ 、分離型代名詞の هُوَ や هِيَ は格変化しないことに注意してください。

◆６ 疑問詞(2) مَا

＊疑問詞 مَا （または مَاذَا ）は、物や動物の場合に用いられます。

（例１） مَا هَذَا ؟ これは何ですか。

（例２） مَا هُوَ الحِمَارُ ؟ ロバとは何ですか。