◆1 句構成(1)
*名詞が2つ並列されていて、後続の名詞が先行名詞の補語になっている場合、2つの名詞は「句構成にある」と言います。
(例1) رَأْسُ الجَنَّانِ 庭師の頭
(例2) قَمِيصُ سَلِيمٍ サリームのシャツ
*句の冒頭語は文法的に限定されているとみなされ、タンウィーンも定冠詞もとることはありません。この冒頭語は文中の機能に応じて、自由に格が変わります。また、句の第2語(即ち、先行名詞の補語)は、文法的に限定されることもあれば限定されないこともありますが、常に所有格に置かれます。
(例1) قَمِيصُ سَلِيمٍ أَسْوَدُ サリームのシャツは黒いです。
この文では、句の冒頭語の قَمِيصُ は主語ですから主格に置かれています。また、 سَلِيمٍ は先行名詞の補語ですから所有格に置かれています。
(例2) هَذَا فُسْتَانُ بِنْتٍ これはある少女のドレスです。
[または、ここに少女用のドレスがあります。]
この文では、句の冒頭語の فُسْتَانُ は文の属詞ですから主格に置かれています。また、 بِنْتٍ は先行名詞の補語ですから所有格に置かれています。なお、この文では補語 بِنْتٍ は文法的に限定されていません。
(例3) عَلَى رَأْسِ الجَنَّانِ مِظَلٌّ 庭師の頭の上には帽子があります。
この文では、句の冒頭語の رَأْسِ は前置詞に先行されているので、所有格に置かれています。また、 الجَنَّانِ は先行名詞の補語ですから所有格に置かれています。なお、この文では句の補語 الجَنَّانِ は文法的に限定されています。
◆2 否定詞 لَيْسَ による否定文
*属詞が主語に先行している名詞文の場合、それを否定文に変える最も簡単な方法は、元の文はそのままにして、文頭に لَيْسَ を加えることです。
(例1) لِلوَلَدِ مِظَلٌّ その少年は帽子を持っています。[肯定文]
(例2) لَيْسَ لِلوَلَدِ مِظَلٌّ その少年は帽子を持っていません。[否定文]
[字義通りには、帽子はその少年に属していない]
*この場合、 لَيْسَ は主語が女性名詞である時も男性形のままであることに注意してください。
(例1) عَلَى الكُرْسِيِّ كُرَةٌ 椅子の上にボールがあります。[肯定文]
(例2) لَيْسَ عَلى الكُرْسِيِّ كُرَةٌ 椅子の上にボールはありません。
[否定文:この文の主語は كُرَةٌ で女性名詞ですが、 لَيْسَ は男性形のままです。]
◆3 名詞の性(3)
* يَدٌ (手)と أُذُنٌ (耳)は、第6課で学んだ《固有女性名詞》です。2つで1組の対になっている人体器官名(足、目、腕など)はすべて固有女性名詞です。