◆1 否定文

*「前置詞+名詞」で構成された属詞が、主語に先行している名詞文を考えてみましょう。

(例) فِي القَفَصِ طَائِرٌ その鳥かごの中に鳥が1羽います。

*既に第7課で学んだように、この種の文を否定文に変える時には、文頭 لَيْسَ 加えます。

(例) لَيْسَ فِي القَفَصِ طَائِرٌ その鳥かごの中に鳥はいません。

*これと同様に、文頭に否定詞の مَا (疑問代名詞 مَا 混同しないように注意してください)を加えても否定文が作れます。

(例) مَا فِي القَفَصِ طَائِرٌ その鳥かごの中に鳥はいません。

*また、文頭に否定詞 لاَ 加える方法もあります。ただし、この場合、主語は属詞の前に来て対格に置かれ、冠詞もタンウィーンもとりません。この لاَ は《絶対否定の لاَ 》と呼ばれ、前の2つの否定表現と比べて、原則的により強い否定を表します。

(例) لاَ طَائِرَ فِي القَفَصِ その鳥かごの中に鳥は1羽もいません。


◆2 名詞文(6)

*既に第6課で学んだように、アラビア語ではたとえば「ナジールは鳥かごを持っている」と言う場合、「ナジールに鳥かごは属している」という表現をとります。

(例) لِنَذِيرٍ قَفَصٌ ナジールは鳥かごを持っています。

*この例文で「ナジール」を強調したい時は、次のように表現することもできます。

(例) نَذِيرٌ لَهُ قَفَصٌ ナジール、彼は鳥かごを持っています。

 つまり、最初に強調したい語を提示し、次にその語を接尾型代名詞で言い換えます。この場合、 نَذِيرٌ قَفَصٌ もともに主格に置かれます。

*同様に、「ナジールの部屋には鳥かごがあります」と言う時には、次の2通りの表現ができます。

(例1) فِي غُرْفَةِ نَذِيرٍ قَفَصٌ ナジールの部屋には鳥かごがあります 。

(例2) غُرْفَةُ نَذِيرٍ فِيهَا قَفَصٌ ナジールの部屋、そこには鳥かごがあります 。

*後者の型の表現は、次のように否定詞とともに用いることもできます。

(例1)ザイナブは鳥かごを持っていません。

زَيْنَبُ لَيْسَ لَهَا قَفَصٌ

زَيْنَبُ مَا لَهَا قَفَصٌ

زَيْنَبُ لاَ قَفَصَ لَهَا [絶対否定]

(例2)ザイナブの部屋の中に鳥かごはありません。

غُرْفَةُ زَيْنَبَ لَيْسَ فِيهَا قَفَصٌ

غُرْفَةُ زَيْنَبَ مَا فِيهَا قَفَصٌ

غُرْفَةُ زَيْنَبَ لاَ قَفَصَ فِيهَا [絶対否定]


◆3 能動分詞(2)

وَاقِفٌ(立っている)は、第9課で述べた جَالِسٌ (座っている)と同様に فَاعِلٌ の音型をしています。この語は能動分詞です。能動分詞の女性形は男性形にター・マルブータをつけると得られることは既に第9課で学びました。

(例1) هُوَ وَاقِفٌ 彼は立っています。[男性形]

(例2) هِيَ وَاقِفَةٌ 彼女は立っています。[女性形]


◆4 否定強調詞 شَيْءٌ

*この語は元々「あるもの」「あること」または「何か」を意味します。しかし、否定文中では「何もない」という意味になります。

(例)机の上には何もありません。

لَيْسَ عَلَى المَائِدَةِ شَيْءٌ

مَا عَلَى المَائِدَةِ شَيْءٌ

لاَ شَيْءَ عَلَى المَائِدَةِ [絶対否定]