◆1 規則動詞(2)

(1)規則動詞の大部分は、完了形の第2語根が母音 [a] をとる فَعَلَ 型です。

(例) ذَهَبَ [Aa] 行く/ عَرَفَ [Ai] 知る/ دَخَلَ [Au] 入る/ جَلَسَ [Ai] 座る

*上に示したように、 فَعَلَ 型の規則動詞は、未完了形の特徴母音として [u] / [a] / [i] のいずれかをとります。

(2)しかし、中には完了形の第2語根が母音 [i] をとる فَعِلَ 型の動詞もあります。この課には、2つの例が出ています。

(例) شَرِبَ [Ia] 飲む/ عَطِشَ [Ia] 喉が渇く

فَعِلَ 型の動詞は、未完了形の特徴母音として常に [a] をとります1

(3)また、完了形の第2語根が母音 [u] をとる فَعُلَ 型の動詞もいくつかあります。

(例) كَبُرَ [Uu] 大きくなる、年をとる

فَعُلَ 型の動詞は、未完了形の特徴母音として常に [u] をとります。



شَرِبَ

كَبُرَ


完了形

未完了形

完了形

未完了形

三単男

سَرِبَ

يَشْرَبُ

كَبُرَ

يَكْبُرُ

三単女

شَرِبَتْ

تَشْرَبُ

كَبُرَتْ

تَكْبُرُ

二単男

شَرِبْتَ

تَشْرَبُ

كَبُرْتَ

تَكْبُرُ

二単女

شَرِبْتِ

تَشْرَبِينَ

كَبُرْتِ

تَكْبُرِينَ

一単

شَرِبْتُ

أَشْرَبُ

كَبُرْتُ

أَكْبُرُ


*このように فَعِلَ 型動詞も فَعُلَ 型動詞も、基本的には فَعَلَ 型動詞と同じように活用します。ただ、完了形では第2語根の母音の違いによって、また未完了形では特徴母音の違いによって区別されるだけです。


◆2 規則動詞の型

*これまでに学んだ規則動詞の型をまとめると、以下のような表になります。


第2語根

完了形

未完了形


فَعَلَ

Au

كَتَبَ

يَكْتُبُ

Aa

ذَهَبَ

يَذْهَبُ

Ai

عَرَفَ

يَعْرِفُ

فَعِلَ

Ia

شَرِبَ

يَشْرَبُ

فَعُلَ

Uu

كَبُرَ

يَكْبُرُ


◆3 同化動詞

*語根に و ي を含む動詞は通常不規則動詞と呼ばれることは、既に第11課で述べました。そのうち第1語根が و ي である動詞を《首弱動詞》と言います。

*一般に、 وَجَدَ (発見する)のように第1語根が و の動詞の大部分は、未完了形でこの و を失います。

(例) وَجَدْتُ 私は発見した[完了形]/ أَجِدُ 私は発見する[未完了形]

*このように未完了形で第1語根の و を失う首弱動詞を、特に《同化動詞》といいます。ほとんどの同化動詞の未完了形の特徴母音は [i] ですが、たとえば وَضَعَ [Aa](置く)のように、少数ながら [a] をとるものもあります。

(例) وَضَعْتُ 私は置いた[完了形]/ أَضَعُ 私は置く[未完了形]

同化動詞の活用(単数形)


وَجَدَ

وَضَعَ


完了形

未完了形

完了形

未完了形

三単男

وَجَدَ

يَجِدُ

وَضَعَ

يَضَعُ

三単女

وَجَدَتْ

تَجِدُ

وَضَعَتْ

تَضَعُ

二単男

وَجَدْتَ

تَجِدُ

وَضَعْتَ

تَضَعُ

二単女

وَجَدْتِ

تَجِدِينَ

وَضَعْتِ

تَضَعِينَ

一単

وَجَدْتُ

أَجِدُ

وَضَعْتُ

أَضَعُ


◆4 副詞 قَدْ

*この語は、完了形の動詞とともに用いられた場合、動作または状態の完了を強調します。ただし、多くの場合、特に訳す必要はありません。

(例) يَا نَذِيرُ قَدْ عَطِشْتُ ねえ、ナジール。僕は喉が渇いたよ。


◆5 能動分詞(3)

*次の2語は、第9課と第10課で学んだ جَالِسٌ وَاقِفٌ と同様に فَاعِلٌ 型をしています。

(例) بَارِدٌ 冷たい / صَاحِبٌ 仲間、友だち

*これは能動分詞の型です。前者は動詞 بَرَدَ または بَرُدَ (冷たい、冷たくなる)の能動分詞で、後者は動詞 صَحِبَ (同伴する)の能動分詞です。


◆6 動詞 عَطِشَ

(例) يَا نَذِيرُ قَدْ عَطِشْتُ ねえ、ナジール。僕は喉が渇いたよ。

*上の例文ではこの動詞は完了形に置かれていますが、訳す時は「私は喉が渇いている」と直説法現在に訳すことができます。この動詞は、強いて言えば「喉の渇きに襲われる」あるいは「喉の渇きをおぼえる」という意味だからです。

1ただし حَسِبَ (思う、考える)だけは例外で、未完了形の特徴母音として [i] をとります。これについては第16課で学びます。