第6章 複文
◆1 関係文(1)
*アラビア語には、以下のような3種の関係代名詞があります。
① مَنْ 〜する人(人にのみ用いられます)
② مَا 〜するもの(動物や事物に用いられます)
③ الَّذِي 〜する人・もの(なお、語頭のアリフは一時性のアリフです)
*①と②は代名詞としてしか用いられません。つまり、先行詞は存在しません。
(例1) يَحْسُبُ عَدَدَ مَنْ يَنْتَظِرُ مَعَهُ 彼は自分と一緒に待っている人の数を数えます。
(例2) لِأَنَّهُ مَشْغُولٌ بِمَا فِي جَرِيدَتِهِ なぜなら彼は新聞の内容に夢中だからです。
*③は先行詞とともに用いられることもあれば、単独で用いられることもあります。
(例3) أَنْزِلُ فِي المَوْقِفِ الَّذِي قَبْلَ البَرِيدِ 私は郵便局の手前の停留所で降ります。
*上の3つの例文では、いずれも関係代名詞が関係文の主語になっています。このような場合、関係文は関係代名詞に直接後続させます。
*なお、先行詞が非限定相の名詞の場合、③は用いられません。関係文は関係代名詞を介さず、先行文に併置する形で、直接後続させます。
(例) يَتَوَجَّهُ إِلَى رَجُلٍ يَقْرَأُ جَرِيدَةً 彼は新聞を読んでいる一人の男性の方を向きます。
◆2 卓越詞(1)
*卓越詞は、形容詞や分詞を比較級あるいは最上級として用いたい時に、形容詞や分詞に与えられる特殊な語形です。
*卓越詞の単数男性形は、その語の出自の如何にかかわらず、すべて أَفْعَلُ 型をとります1。この語は二段変化します。
*卓越詞を比較級として用いる時は、比較の対象は前置詞 مِنْ で示します。この場合、卓越詞は格変化はしますが、性や数による語形変化は受けません。
(例1) هُمْ أَكْثَرُ مِنْ ثَلاَثِينَ 彼らは30人以上です。
(例2) الأُولَى أَكْبَرُ مِنَ الثَّانِيَةِ لَكِنَّ الثَّانِيَةَ أَسْرَعُ
最初のバスは次のバスより大きいですが、次のバスの方が速いです。
1ただし、色彩形容詞は例外です。