第7章 対格の用法
◆1 状況補語(2)
*私たちは既に第1巻の第21課で、前置詞に先行されていない状況補語は対格におかれることを学びました。この課には、状況補語の例、特に原因や理由を示す状況補語の例が
たくさん出ています。
(例1) الكَلْبَةُ تُحَرِّكُ ذَبَنَهَا فَرَحًا その牝犬は嬉しくて尻尾を振ります。
(例2) تَنْبَحُ غَضَبًا 彼女は怒って吠えます。
(例3) صَحِبْتُهَا إِلَى بَابِ الحَدِيقَةِ خَوْفًا مِنَ السَّيَّارَاتِ
私は車のことが心配だったので、彼女を公園の門まで連れてきました。
*他の外国語では副詞や場合によっては前置詞で表す語も、アラビア語では対格におかれた語で表され、アラビア語の文法では状況補語とみなされます。
(例1) تَعْدُو نَحْوَهُ 彼女はその方に走ります。
(例2) هَلْ يَأْتِي نَذِيرٌ بِقِطِّهِ أَحْيَانًا إِلَى الحَدِيقَةِ ؟
ナジールは時々猫を連れて公園に来ますか。
*例1の نَحْوَهُ は名詞 نَحْوٌ (方向)の対格とされ、「その方へ」という前置詞的な意味を表します。また例2の أَحْيَانًا は名詞 حِينٌ (瞬間)の複数形 أَحْيَانٌ が対格におかれたものとされ、「時々」という副詞的な意味を表します。
◆2 譲歩文(3)
*私たちは既に第5課で、関係代名詞の مَنْ と مَا はしばしば譲歩文のニュアンスで用いられ、その場合、従属節と主節の動詞は条件詞 إِنْ の場合と同じ扱いを受けることを学びました。
*譲歩文はまた、以下のような関係副詞を用いて表すことができます。従属節と主節の動詞の扱いは条件詞 إِنْ の場合と同じです。
①関係副詞 مَهْمَا (それが何であれ)
(例1) مَهْمَا أَقُلْ لَهَا تَفْهَمْهُ / مَهْمَا قُلْتُ لَهَا فَهِمَتْهُ
私が彼女に何を言っても彼女はそれを理解します。
②関係副詞 حَيْثُمَا / حَيْثُ (どこでも)
(例2) تَسْتَطِيعُ أَنْ تَذْهَبَ حَيْثُ تَشَأْ / تَسْتَطِيعُ إَنْ تَذْهَبَ حَيْثُ شَاءَتْ
彼女は自分の好きな所に行くことができます。
③関係副詞 مَتَى (いつでも)
(例3) يَخْرُجُ مِنَ الدَّارِ مَتَى يَشَأْ / يَخْرُجُ مِنَ الدَّارِ مَتَى شَاءَ
彼は自分の好きな時に家から出ていきます。
④関係副詞 كَيْفَمَا / كَيْفَ (〜のように)
(例4) يَلْعَبُ كَيْفَمَا يَشَأْ / يَلْعَبُ كَيْفَمَا شَاءَ
彼は自分が好きなように遊びます。
◆3 状況動詞 ظَلَّ
*この動詞は既に学んだ بَاتَ / أَصْبَحَ / لَيْسَ / كَانَ のように、対格におかれた名詞を属詞として後続させたり、動詞を直接後続させることもできます。
*この動詞は「留まる」「〜して時間を過ごす」「〜し続ける」等の意味を表します。
(例1) سَتَظَلُّ تَلْعَبُ وَتَعْدُو هُنَا حَتَّى أَرْجِعَ إِلَيْهَا
彼女は私が戻ってくるまで、ここで遊んだり走ったりしているでしょう。
(例2) سَأَظَلُّ نَائِمًا حَتَّى تُوقِظَنِي
私はあなたが起こすまでずっと寝ているでしょう。