◆1 状況補語(3)
*状況補語は、人間や動物または事物の様態を示します。
*その場合、状況補語は対格におかれ、性と数に応じて語形変化しますが、相は非限定相におかれたままです。
(例1) يَقُولُ لَهُ مُبْتَسِمًا 彼は彼に笑いながら言います。
(例2) أُحِبُّ القَهْوَةَ حُلْوَةً 私は甘くしたコーヒーが好きです。
(例3) يَعُودُ الخَادِمُ حَامِلاً طَبَقًا ボーイがお盆を持って戻ってきます。
(例4) يَقُولُ الخَادِمُ مَازِحًا ボーイが冗談で言います。
(例5) أَتَيْتُكَ بِالقَهْوَةِ مُرَّةً 私は苦くしたコーヒーをあなたに持ってきました。
*動詞あるいは一つの動詞文全体が状況補語になる場合もあります。
(例1) لَقِيَ زَمِيلَهُ إِبْرَاهِيمَ يَتَنَزَّهُ 彼は散歩中の同僚イブラヒムに出会いました。
(例2) قَدْ سَمِعْتُكَ تَقُولُ ذَلِكَ かつて私はあなたがそう言っているのを聞きました。
*最後に、状況補語は、限定相におかれた名詞または接尾型代名詞を修飾することに注意してください。
◆2 動詞 عَادَ の用法
*この動詞の原義は「戻る」という意味ですが、状況動詞として「(再び)〜になる」という意味で用いられることがあります1。その場合、対格におかれた属詞、あるいは未完了形の動詞を、直接後続させることができます。
(例) هَلْ عُدْتَ تَسْكُنُ هُنَا ؟ あなたは再びここに住むようになったのですか。
*一方、否定文で動詞 عَادَ が状況動詞として用いられた場合は、「再び〜しない」「もう〜ではない」という意味を表します。
(例1) لَمْ أَعْدُ أُدَخِّنُ 私はもう煙草を吸いません。
(例2) لَمْ أَعُدْ طِفْلاً 私はもう子供ではありません。
◆3 呼格(2)
*既に学んだように、呼びかけ語 يَا の直後に来る名詞は主格に置かれ、また、タンウィーンをとりません2。
(例1)يَا سَلِيمُ やあ、サリーム。
(例2) يَا بِنْتُ やあ、お嬢さん。
*ただし、呼びかけられる対象の名詞が2語以上で構成された句である場合、句の冒頭語は対格におかれます。
(例3)يَا عَبْدَ اللَّهِ やあ、アブドゥラー。
◆4 発音の例外
*名詞 سِجَارَةٌ (煙草)中の ج は、例外的に [g] 音で発音されます。複数形の سَجَائِرُ も同様です。
*なお、エジプトでは、 ج は常に [g] 音で発音されます。
1第2巻第3課参照。
2第1巻第4課参照。