◆1 感嘆文(1)
*感嘆や驚愕、あるいは非難の念を表したい時、最も簡便な方法は、まず感嘆詞 مَا を文頭に立て、次に感嘆や驚愕、あるいは非難の対象となる状態形容詞または分詞を男性単数対格の卓越詞の語形にして続け、最後にその状態にある対象を、卓越詞の補語名詞として後続させることです。
(例1) مَا أَوْسَخَكَ あなたは何と不潔なのでしょう!
(例2) مَا أَوْسَخَ ثِيَابَكَ あなたの服は何と不潔なのでしょう!
(例3) مَا أَبْلَدَكَ あなたは何と愚かなのでしょう!
◆2 名詞命令文
*誰かに注意を促したい時、あるいは警戒を呼びかけたい時は、名詞あるいは名詞句の冒頭語を対格におきます。
(例1) الأَشْجَارَ 木に注意しろ!
(例2) المِكْبَحَ ブレーキを踏め!
◆3 縮小名詞
*この課に出てくる地名 البُلَيْدَةُ (ブライダ、ブリーダ)は、普通名詞 بَلْدَةٌ (町、地域)の縮小名詞です。
*縮小名詞の特徴は、第1音節が短母音 [u] をとり、第2音節が二重母音 [ai] をとることです。
*縮小名詞の最も単純な語形は فُعَيْلٌ と فُعَيْلَةٌ です。ともに3文字の名詞1の縮小名詞です。
(例1) طِفْلٌ 子供→ طُفَيْلٌ 幼児
(例2) شَجَرَةٌ 樹木→ شُجَيْرَةٌ 灌木
◆4 過剰性表示動詞 أَفْرَطَ
*この動詞は前置詞 فِي を従えて、「過度に〜する」「〜し過ぎる」という意味を表します。
(例) لاَ تُفْرِطْ فِي السُّرْعَةِ スピードを出しすぎないようにしなさい。
◆5 起動動詞(2)
*動詞 أَخَذَ はしばしば「〜し始める」という意味で用いられます。その場合は、既に学んだ جَعَلَ や بَدَأَ のように起動動詞2として扱われます。
*この動詞は、完了形におかれた時は、他の起動動詞と同じように、未完了形動詞を直接後続させることができます。
(例) أَخَذَ يَعْدُو 彼は走り始めました。
*ただし、未完了形におかれた時は、「前置詞 فِي +動名詞」という構文になります。
(例) يَأْخُذُ فِي العَدْوِ 彼は走り始めます。
◆6 逼迫性表示動詞 كَادَ
*この動詞は常に他の未完了形動詞を後続させて用いられ、現実には実現しなかった、ある状態の逼迫性を表します。
(例) قَدْ كِدْتَ تَصْدِمُ شَجَرَةً あなたはもう少しで木にぶつかるところでした。
1ただし、語末がター・マルブータの名詞は4文字ということになります。
2第1巻第30課参照。