28


ナジールのお母さんが彼女の夫に言います。

「私たちの町内に新しいお店ができたこと、聞いた?」

「何の店?」

「肉屋よ。」

「いつ開店したんだい?」

「数日前よ。」

「それじゃ、行ってみよう。少し肉を買ってこようか?」

「そうね。羊の肉が少し入り用なの。」

アブドッラー氏はその肉屋に行きます。すると、肉屋は弟子と一緒にいます。

「こんにちは!」

「いらっしゃい!」

「羊の肉はあるかい?」

「はい。この子羊の肉はいかがでしょう?」

「いいね。」

肉屋は大きな包丁を手に取って、子羊の肉を1片切り取り、それから秤に載せます。すると、目方は半キロです。アブドッラー氏が言います。

「いくら?」

「8ディナールです。」

「市場の値段と同じだね。私は町内の住人たちに、あなたの店の肉はおいしくて、高くないと言いましょう。」

その言葉を聞いて肉屋は喜び、アブドッラー氏にお礼を言ってから尋ねます。

「町内の住人の皆さんはどこから肉を買っていたんですか?」

「私たちは市場から買っていたよ。でも今日からは、あなたの店で買うことにしよう。」