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アブドッラー氏はアルジェ市の大きな店で働いています。今朝、石けんの箱が一人の労働者の足の上に落ちました。救急車が来て、彼を病院に運びました。

夕方、アブドッラー氏と二人の同僚は、負傷した友人を見舞いに病院に行きます。彼らが病院の前に着くと、門番が彼らに尋ねます。

「あなたたちは病院の職員ですか?」

「いいえ、私たちは病院の職員ではありません。」

「それでは、あの人たちと同様、もう少ししてからお入りください。」

アブドッラー氏と二人の友人は、あたりを見回します。すると、大勢の男女が彼らの近くに立っています。何人かの女性たちは果物の入った篭を持っています。

「あの女性たちは果物を売っているんですか?」

「いいえ、彼女たちは親戚の病人を見舞うために来たんです。」

やがてベルの音がして、門番が彼らに門を開けます。

ある建物の前で、彼らは三人の白衣の女性を見かけます。彼らのうちの一人が彼女たちに尋ねます。

「貴女たちは看護婦ですか?」

「はい、私たちは看護婦です。」

「外科病棟はどこですか?」

彼女たちの一人が、彼らを外科病棟につれて行きます。やがて三人は、ベッドの上に横たわっている友人をみつけます。

「イブラヒム、具合はどう?」

「僕は喜んでいるよ。なぜなら外科医が僕の足を診察して、骨折じゃないとわかったからね。僕は明日退院するよ。数週間後には職場に戻ると思う。なぜなら、僕の足は君たちの足のように正常になるだろうからね。」

「この病棟にはたくさん病人がいるのかい?」

「他にも病人がいるけど、多くはないよ。5人だからね。」