第3課:通りのアブドッラー氏

アブドッラー氏が通りで同僚の一人に会います。同僚が彼に挨拶して、それから彼に尋ねます。

「少しお金、持っているかい?」

アブドッラー氏は手をポケットの中に入れて、お札を一枚取り出します。

「ここに10ディナールあるけど、これが欲しいかい?」

「僕は5ディナールほしいんだ。」

同僚はそのお札を手に取って、ポケットから小銭を取り出して彼に言います。

「ここに5ディナールある。君には僕に対する5ディナールの貸しが残ったけど、僕はそれを来週君に返すよ。」

「君に思い出させてあげよう。先週君は僕に5ディナール貸してくれたんだ。だから、僕には君に対する貸しはないよ。」

「そのことは忘れていたよ。ありがとう。そして、さようなら。」

アブドッラー氏は同僚と別れます。やがて彼は、手にバラの花束を持った別の同僚に出会います。

「そのきれいなバラは、誰に届けるんだい?」

「僕の女房にさ。」

「君の奥さんはバラがたいへん好きなのかい?」

「彼女は花ならなんでも好きなんだ。」

「女性は誰でも花が好きだと思うよ。下のお子さんは元気?」

「もう大きくなって、歩くようになったよ。君に写真を見せただろう?」

「いや、僕に見せたことなんてないよ。写真を持っているのかい?」

「うん、これさ。僕はこれを先週撮ったんだ。」

「かわいい男の子だね。」