第7課:ナツメヤシ売り

ザイナブがアブー・サアーダの市場の中を散策しています。彼女は、フランス人の客を相手しているナツメヤシ売りのそばを通りかかります。

商人がザイナブに言います。

「やあ、お嬢さん。フランス語は得意かね?」

「ええ、大丈夫よ、おじさん。」

「この方の言葉を私に通訳してくれないかね。私にはわからないんだ。」

ザイナブはそのフランス人と話をして、それから商人に言います。

「この人はナツメヤシを1房か2房買いたがっているわ。」

「ナツメヤシの房なら、目の前にあるから選んでおくれ。」

「でも、この人は椅子をほしがっているわ。お年だから、かがめないの。」

商人は客に椅子を勧めます。すると客は座って、大きな房を2つ選びます。商人はその2房の重さを量り、それから言います。

「2房で19ディナールだ。」

ザイナブはそれをアラビア語からフランス語に通訳します。するとフランス人は、それでは高すぎる、自分は15ディナールで買いたいと答えます。ザイナブはそれを商人に伝えます。

「この人はその値段じゃ納得しないわ。15ディナールしか出さないって。」

「15ディナールじゃ、私には十分じゃないね。でも、この方に1ディナールおまけして、この2房を18ディナールで売ってあげよう。」

ザイナブはそのことをフランス人に伝えます。すると彼は1ディナール上げて、16ディナール出そうと答えます。ザイナブはその言葉を商人に伝えます。すると、彼は彼女に言います。

「それでは17ディナールで手を打とう!」

客は17ディナール払い、その2房を手に取ります。でも、商人が言います。

「私たちはナツメヤシの値段で折り合いがついたんだ。折り合った後は、一緒に紅茶を飲みましょう。」

商人とフランス人とザイナブは紅茶を一杯飲みます。ザイナブがフランス人に尋ねます。

「このナツメヤシを持ってフランスに行くんですか?」

すると、彼が答えます。

「そう。私は明日、フランスに旅をするんだ。私はこのナツメヤシを妹とその家族にプレゼントしたいんだよ。」

商人は彼の言葉を理解します。そして小さな房を手に取って言います。

「それじゃ私もその方に、この房をプレゼントしよう。」