第16課:サリームは宿題を終えていなかった
サリームが応接間のテーブルの上にケーキをみつけて、お母さんとお姉さんに尋ねます。
「このケーキ、誰の?」
ザイナブが答えます。
「あなたのよ。食べなさい。」
「ありがとう。あれ、二人で出かけるの?」
「そうよ。私たち、動物園に行くの。」
「僕も一緒に行っていい?」
お母さんが言います。
「まず宿題を片づけなさい。」
「もう全部やったよ。あとは計算の宿題だけなんだ。ねえ、ザイナブ。手伝って。」
「時間がないの。ナジールにききなさい。」
サリームはお兄さんの部屋に入ります。
「ねえ、ナジール。この宿題、手伝って。」
「何、それ?」
「計算の問題なんだ。」
「教科書を見せて。」
「はい、見て。80番の問題。71ページだよ。」
ナジールは素早くその問題を読み、弟に言います。
「これは難しい問題じゃないよ。数分で一緒に解けるよ。」
「ナジール、一人で解いて。僕、お母さんとザイナブと一緒に、これから出かけるんだ。」
「駄目だよ、サリーム。僕が君の宿題をやっても君のためにならないよ。僕は君がわかるように説明するだけにしないといけないのさ。さあ、教科書を手に取って、僕が呼ぶまでこの問題を考えてごらん。」
「僕、今、出かけて、帰ってきた後で一緒に勉強できない?」
「いいよ。だって僕もこれから出かけるんだ。学校の本屋に本を注文するんだよ。それじゃ、1時間後にここで。」
「駄目、2時間後。」
「それじゃ、2時間後。」