第19課:商人と購入客の間で
アブドッラー氏が衣料店の前を通りかかると、一人の男性が別の男性に抗議して言い争っているような大きな声が聞こえます。アブドッラー氏は衣料店に入ります。すると、抗議しているのは彼の隣人のウスマーンです。一方、抗議されているのは、彼の友人の商人です。アブドッラー氏は二人の男性に挨拶して、二人に尋ねます。
「どうしたんですか?」
ウスマーンが彼に言います。
「この男は僕が嘘つきだと詰るんだ。」
商人が言います。
「いいえ、旦那。私はこの方が嘘をついたなんて言っていません。ただ私は、このシャツは汚れていますと言ったまでで。」
アブドッラー氏が商人に言います。
「最初から成り行きを私にゆっくり説明してください。私がお二人を裁定してあげましょう。」
「先週私はこの方に、このシャツを115ディナールで売りました。そしてこの方は代金を払いました。ところが今日、それを着た後で交換したいと言うんです。」
ウスマーンがもう一度抗議します。
「またその非難を繰り返すのか! さっき君に言ったじゃないか。僕はそれを着ていない。ただ試着してみただけだ。アブドッラーさんは長年私をよくご存知だ。だって私たちの家は棟続きなんだからね。さあ、隣人のよしみで言ってください。私はこんな非難に値する人間ですか?」
「そんな非難は不当です。」
「それじゃ、どうしてこの方は、私のところへ来るまで一週間もお待ちになったのでしょう?」
「私は先週の初めにこれを買って、休日に着ようと思ってタンスにしまっておいたんだ。でも休日が来て、タンスから取り出して着ようとしたら、窮屈なことに気がついたんだよ。」
「あなたは40号のシャツを注文なさいました。ですから私は40号のシャツを差し上げたんです。」
「それは普通、40号が私にはちょうどいいからなんだ。あなたの仕事は上手じゃないね。」
「このシャツをお求めくださったお客様は、もう着られているとおっしゃるでしょう。その時、私はどうお答えすればいいんです?」
「試着しただけだと言えばいいだろう。」
「それに、この代金はもう帳簿に記入済みなんです。金庫から出すことはできません。」
アブドッラー氏が言います。
「この方に同じようなシャツを差し上げなさい。でも42号のシャツを選びなさい。」