第15課:アフマド、トラクターを運転する
アフマドはアルジェリアのブライダ市近くの農場を訪れます。農場の畑の一つに農夫がいて、トラクターで土を耕しています。アフマドはその後を追いかけます。畝の端に達した時、トラクターの運転手は振り向いて、アフマドを見て言います。
「汚ないな! 服が汚れるぞ! 何をするつもりなんだ?」
「僕はトラクターの運転を知りたいんです。」
農夫はアフマドに、エンジンのかけ方とトラクターの走らせ方と停め方を説明します。アフマドは彼の言葉を聞きます。それから彼に言います。
「よくわかりました。それじゃ、僕に一人で運転させてくれませんか?」
農夫はトラクターをUターンさせます。それからトラクターから降りて、アフマドに言います。
「運転してもいいよ。でも、スピードを出しすぎないようにね。畝の端に達したらトラクターを停めて、私を待ちなさい。」
アフマドはハンドルをとり、トラクターを出発させます。農夫は歩いてその後をついていきます。トラクターはゆっくり進みます。でも、畝の端に達した時、停まりません。畑の周りにある木々の方へそのまま進み続けます。その時農夫は怖くなって、叫びながら走り出します。
「木だ! ブレーキ!」
でも、木に達する前まで、アフマドはトラクターを停めません。農夫は息を切らしてやって来ます。そして、彼を叱って言います。
「なんて馬鹿なんだ! もう少しで木に衝突して、トラクターを台無しにするところだったぞ。」
アフマドが彼に言います。
「ごめんなさい、おじさん。僕、フートブレーキがどこにあるか忘れて、ハンドブレーキを使おうと思いつくまで、少し慌ててしまったんです。」