第17課:赤ちゃん
イブラヒムに赤ちゃんが生まれました。そこで同僚たちのグループがお祝いにやって来ます。客は応接間に座って、お互いに話したり冗談を言ったりします。イブラヒムはケーキと飲み物を持ちながら、彼らの間を回ります。イブラヒムがアブドッラー氏に言います。
「やあ、アブドッラー、コップが空じゃないか。何を注いだらいい?」
アブドッラー氏が彼に言います。
「いや、もう結構。ジュースを2杯も注がれて、十分頂いたよ。ご馳走様。」
別の客が言います。
「やあ、イブラヒム。僕たちは満腹するまでケーキを頂いたし、喉の渇きが癒えるまで飲み物も頂いたよ。だから、あと僕たちに必要なのは、君が僕たちと座って、君の赤ちゃんの話をしてくれることだけさ。」
第三の客が言います。
「イブラヒム、君は息子にどんな名前をつけたんだい?」
「アサドってつけたんだ。」
「ライオンは百獣の王だね。でも、どうしてその名を選んだんだい?」
「僕の祖父にちなんでつけたんだよ。だって僕の祖父は、誰をも恐れない勇敢な人で、それでアサドって名付けられたんだ。」
アブドッラー氏が言います。
「神が君の子息に祝福と長命をお授けになり、君の祖父のような勇者になさいますように!」
すると同僚の一人が微笑むので、イブラヒムは彼に尋ねます。
「どうして笑うんだい?」
「君の言葉を聞いて、ある隣人のことを思い出したんだ。彼はアルナブて呼ばれているんだよ。」
「それは驚いた! その人の両親がそんな醜い名前をつけたのかい?」
「いや、彼の名前はウマルさ。若いとき、アルナブというあだ名をつけられたんだよ。でも、どうしてアルナブが醜い名前なんだい?」
「だって、兎は自分の影に怯えるくらい臆病な動物だからさ。」
「その僕の隣人は臆病なんかじゃないよ。ただ走るのが速かったから、アルナブとあだ名されただけさ。」