12課:サリームと母親

サリームがお母さんの前で泣いています。

「サリーム、どうして泣いているの?」

「お父さんが僕を泣かせたんだ。僕が学校で勉強をよくしなかったから。」

「お父さんはどうしてそのことを知ったのかしら?」

「先生がお父さんに手紙を出して、僕が課業を覚えず、宿題もやらないって言ったんだ。」

「殴られたのは1回なの、それともたくさん?」

「手紙を読むとお父さんはとても怒って、僕の髪の毛をつかんで床から持ち上げたんだ。」

「先生はあなたに他の罰を与えたの?」

「うん。課文を全部2回書きなさいって命じたよ。」

「どうして学業を怠けたの? あなた、怠け者になったの?」

「僕は怠け者じゃないよ。ただ、アラビア語の本を、友だちのムスタファーの家に忘れたんだ。」

「どうしてムスタファーの家に行ったの?」

「学校を出る時、ムスタファーが家に来て一緒に宿題をやらないかって誘ったんだ。でも、アラビア語の本を開けて眺めた時、僕たちはそれが簡単な宿題だってことがわかったんだ。だから僕たちは、最初に絵入り新聞を読むことに決めたんだ。でも、僕たちがそれを読み終わって、僕が時計を見ると、6時を指していたんだ。そこで僕は鞄を持って、急いで家に帰ってきたんだ。その時、僕は本をムスタファーの家に忘れたんだよ。ムスタファーは僕の本を僕のところに届けるべきだったんだ。」

「サリーム、友だちを責めてはいけないわ。自分を責めなさい。だって、私たちは一人一人、みんな自分に責任があるのよ。」